BUMP OF CHICKENでロック大陸漫遊記
つまりはBUMP OF CHICKENで漫遊記の書き起こしです。
残暑ですが秋です。かつて熱烈なRADWIMPSファンであった私としては、九月三日を過ぎてしまえば立派に夏は終わったと思っています。
そんな私の夏を締めくくったのは「ロックのほそ道」。ス敵なライブで興奮冷めやらず、その後三日間余韻に悩まされました。何にも手につかず、スピッツしか聴けない。仕方ないからセトリを組んでプレイリストを成してみても、スピッツが離れない。これは、由々しき事態でありました。実は私は9月11日にBUMP OF CHIKENのライブを控えております。何とか仙台に残した気持ちを振り切って、大阪に旅立たねばならぬ。
そんなときですよ、開いたTwitterに表れたマサムネさんがラジオでバンプを紹介しているとの情報。急いでradikoを立ち上げ、SPITZ草野マサムネのロック大陸漫遊記を聴く(放送日は9月1日)。ぐああ!!ありがとうマサムネさん!!おかげさまで、私は通常運転に戻ることができ、バンプの聴きこみに入ることができました。
さて、ラジオを聴いていた際、私は勉強中でした。しかし、興奮のあまり、その時間に私のノートに残ったのはマサムネさんの曲紹介の書き取りのみ。これを私のノートのみに残しておくのはもったいないと思ったので、ここに残しておく次第でありまス。
以下は「BUMP OF CHIKENで漫遊記」の書きおこしです。が!!大学生として100%引用は避けたかったのでバランスを取るために地の文を入れてます。ご了承ください。
さてさて、この企画はコレクターズ以来の邦楽アーティスト一色特集。敬愛する草野マサムネ氏は、BUMP OF CHIKEN(以下バンプ)をファンとして聴いているそう。選曲は彼曰く、ガチのファンからしたら普通と思われるかもしれないとのこと。いやいや確かにメジャーだったけれど、まさか新譜まで聴いているとは。前置きは、これくらいにして参りましょう。
①オンリーロンリーグローリー
聴きながらめちゃくちゃ盛り上がってしまいますね。何も言えねえみたいな。でも何も言わないと番組が進行できないので語らしていただきますが。
バンプの曲の中でねぇ、この曲、一番好きですね。初めて聴いたとき泣きそうになっちゃって。これたぶん思春期に聴いてたら、俺ね泣き崩れてたと思います。肥大化した自我に許しを与えてくれる歌って感じですかね。
個人的にはね、これ2004年の曲なんで、球界再編のごたごたともリンクしてるんですけど、記憶ではね。俺の中でBUMP OF CHIKENといえばまずオンリーロンリーグローリーって感じかな。
あとこれ、ヘッドホンで聴くと、二本のギターが左右でじゃかじゃか鳴ってすっごい気持ちいいんですよね。このオンリーロンリーグローリーが入っているアルバム『ユグドラシル』は隠しトラックも含めて外れ曲なしというすごいアルバムだと思いますね。
これねカラオケで歌っても実はあんまり盛り上がらなくて。バンプはね、カラオケで歌っちゃダメだと思うね。藤原君の声じゃないとだめだと思う。これも個人的な見解ですけどね、あくまでね。
これはもっと声を大にして言いたい。草野マサムネがオンリーロンリーグローリーを「肥大化した自我に許しを与えてくれる歌」と評してくれたんですよ!!!!
私もオンリーロンリーグローリーが好きです...好きだけど恥ずかしくて言えないなんてレベルで好きです...。だってだって、肯定を求める凡才が自分で自分に丸をつけて歩き出す曲でしょ?孤独だとか出来損ないの自己だとかまで、許してもらっちゃったらダメになってしまいそうな気がするんですよ。
こういう曲バンプに多いと思うんですが、「firefly」だとか「Aurora」だとか甘やかされすぎてしまってダメになりそう。「firefly」も好きなんだけど、これを好きだって発言したら、私は諸々をさっさと諦めてきた自分のことだって「黄金の覚悟」なんて言ってしまうみたいで怖いんだ。「Aurora」については後で言及します。
次は彼らのインディー時代のアルバムから聴いてみようと思いますが。インディーズのころからね、なんかすげえバンドがいるらしいって噂はあったんですよ、俺らのところにも。
で、インディーズのアルバムを二枚を買って、聴いてまして。最初は、音もなんかもっさりしていていまいちかなと思いつつ、でも不思議と何度も聴いてしまう中毒性があって。当時ツアー中の楽屋でもよく流してまして、キーボードのクージーと「このバンドなんか聴いてて飽きないよね」なんて話もしてましたね。
二枚目のアルバムに入っている曲なんですが、サビの高揚感が素晴らしい。歌詞も物語が映像になって見えてくるそんな曲です。
グングニルは北欧神話のオーディンの持つ槍の事です。だから歌詞に「世界の神」とのフレーズが多用されるのね。私としては「その槍は万物を貫く」ってイメージです。(どっから来てんだろこれ)
初めて聴いたのは中学二年生の時。TSUTAYAのアルバムコーナーとyoutubeを往復してバンドをあさっていた時に、ニコ動の転載を観ました。特に何があったわけでもないのに、涙が止まらなくて。しばらくして、これはグングニルとの題の通り、初志貫徹の曲だから、勇者を奮わせ、敗者を泣かすのだなあと。感想もなんだか、中二っぽくなってしまった。恥ずかしいから黙ります。
以下はマサムネさんと藤くんの出会いのお話。
BUMP OF CHIKENのボーカル藤原君と、初めて会ったのは下北沢で、スピッツとくるりが対バンしたことがありまして、2000年だったかな、シークレットライブだったかも、その時の打ち上げであったと思うんだよね。違ったらごめんだけど。何話したかもあんまり覚えていないんですけど、そのあと2008年にロッキンオンジャパンの表紙を2008年にストレイテナーホリエくんと三人で飾らせてもらったことがあって、その時ホリエ君とは初めてだったんだけど、藤原君とはもう面識があったんだよね。その時のジャパンの記事に二人が初対面て書いてあったんだけど、それはたぶん事実と違うと思うんだけどな。
③ハルジオン
次はメジャー1作目のアルバム『Jupiter』から聴いてみたいと思うんですが、ここは天体観測ではない曲をいこうかな。天邪鬼的にね。この曲、名作の絵本を読んだ後のような心が浄化される名曲だと思います。
Aメロ・Bメロまで抑えていたものをサビでガツンと吐き出す1曲。「まだ 虹を作ってる」というフレーズのリズムが好きです。
ハルジオンの花言葉は「追い求める愛」だそうですが、この曲の意味と直接関係があるのは、貧乏草との別名では。どんなに過酷な状況でも何度も咲くこの習性が「揺るぎない信念」なのだと思います。
先程、初志貫徹なんて言葉を書いたんですが、そういった曲って世の中腐るほどあるじゃないですか。夢は諦めなければ叶うだとか、努力を継続しろって歌う曲。この曲も「揺るぎない信念」について歌う曲なんですが、キーは花がかれることだと思うんです。挫折を経験し夢を諦め、「希望と遥かな距離を置いた」主人公が、また別の希望に出会う。目標が別のものに変わっても、今よりもいい自分になりたいという向上心を折らない。人間臭くていい曲だなぁと思います。
④才悩人応援歌
メジャー3枚目の『orbital period』というアルバムから「才悩人応援歌」という曲を。この曲は バンプの究極ツンデレソングとでも言いましょうか。Aメロ・Bメロでツンとされて、サビで抱きしめられるような感じの曲だと思います。曲はしっかりロックで最高です。歌詞も最高だね。「好きだったミュージシャン 新譜暇つぶし 売れてからはもうどうでもいい」この歌詞をそういわれる側が歌ってるというね。
ありがとうマサムネさん...。このツンデレって表現わかります。「痛いってほどわかってた 自分のためのあなたじゃない」だとか「死にたくなるよ なるだけだけど」なんて痛々しいフレーズを散りばめてから、「自分のために歌われた歌などない」と突き放し、あの優しいサビに入る。この曲だけは自分のために歌われた歌だなんて勘違いしてしまうよ。
このように、バンプの曲は自分を救うのは結局は自分なんだという救いようのない現実を教えてくれる。「ウェザーリポート」のラストフレーズ「相合傘一人ぼっち それを抱きしめた 自分で抱きしめた」なんてフレーズも象徴的ですよね。それでも、彼らは優しいから1人で歩くために、彼らの曲を杖にしていいと言ってくれる気がするんです。また恥ずかしいことを言ってしまった...。
⑤HAPPY
次の曲は16枚目のシングルの「HAPPY」という曲ですね。この曲は泣きそうになったんじゃなくてマジに泣いた曲ですね。震災の年に移動の飛行機とか新幹線で繰り返し聴いてました。オンリーロンリーグローリーとどっちが一番かなと迷う曲なんですけども。尺が6分ぐらいあるんですけど、全く長くかんじないです。バンドのサウンドも、ギターもリズム隊もクリアで迫力があって、今でも元気を出したいときにたまに聴いています。
本当に危うい時に「効く」毒抜きのような曲ですよね。イントロのカッティング(でいいのかな)から幸福感が溢れているのに、そこに乗せる歌詞は擦り切れそうな疲労感でいっぱい。そんな曲調だからこそフレーズの一片一片が刺さる。わざわざ抜き出すようなパワーフレーズがないって凄くないですか?全編にわたって力のある歌詞。
あえてあげるなら「優しい言葉の雨」と「HAPPY BIRTHDAY」という歌詞ですかね。
「優しい言葉の雨」というのは文字通り温かい言葉が雨のように降り注ぐ様なのか、温かい同情の言葉がかけられるものの心を刺すという意味でとるのか、おそらく前者なのだろうが聴くたびに考えてしまう。
「HAPPY BIRTHDAY」という言葉も誕生日だから生きることを称賛する言葉を選んだのか、この曲を聴いて考えを改め、生き続けることを選んだ人に生まれ変わりの記念日として祝福を送るのか、どういう意味か図りかねています。
⑥Aurora
今年リリースの最新作からいってみたいんですが、「Aurora」という曲なんですが。今回のアルバム「aurora arc」ジャケがすごいいい。絶対ジャケ買いしちゃいますね。アルバムタイトルも「aurora arc」だし、この素敵なジャケに一番合う曲かもね。タイアップのドラマ「グッドワイフ」も観ていたんですけれど、すごく面白いドラマだったんですけれど、バンプの曲が始まると、そっちに気持ちが持ってかれちゃって、ドラマに集中できないというね。ドラマのBGMにはバンプの曲は向いていないんじゃないっていう。単にバンプが好きだからかもしれないんですけど。そんなことを思いながら聴いていました。
今回、マサムネさんが選んだ中で唯一のキラキラ系バンプですよね。エレクトリカルで透明感と高揚感と疾走感のあるサウンド。藤くんの声も優しくて、非常に聞き心地がいい。
歌詞としては「オンリーロンリーグローリー」の項で、軽く触れた通り、悩む人の現状と過程を認めてくれる、優しい曲だ。
MVや「グッドワイフ」は徹底的に理不尽で、中盤で見るのを辞めたら立ち直れなくなるぐらいに打ちのめされる。この曲があるから2つとも見れたんだなぁとぼんやり思います。なんというか、カタルシスを産むような組み合わせだなぁと。あぁくっそ、締まんないのに終わってしまう。
最後に草野マサムネ氏はこんな言葉でラジオを締めくくっている。
バンプは俺、ライブも久しく見れていないので、どっかで見れたらいいなと思っているんですが…。
いつか、彼らとマサムネさんの5ショットが見れることを願って、本稿を締めます。